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■スリアインタビュー『ヨガと私』
ヨガとのかかわり方にフォーカスした、インタビューの配信をスタートしました。
スリアが選んだ『ヨガと私』ぜひご覧ください。
Vol.6 <後編> 山田多佳子先生
ヨガ講師のみなさまからヨガのある生活についてお話しを伺ってきたスリアインタビュー。今回でついに最終回を迎えます。インタビューを締めくくるアンカーは、スリアの初代アンバサダーであり、現在はアンバサダーOBの山田多佳子先生にご登場をお願いしました。山田先生はヨガ・フィットネスの指導歴が38年というベテラン。日本におけるヨガ・フィットネス業界の発展を黎明期から見つめてきました。このインタビューではスリアとの思い出や、毎年企画しているヨガのリトリート。健康を啓蒙する活動とともに歩んできた道のりについて伺います。
――以前のお話しは「インタビュー前編」をご覧ください。
村上華子:山田先生とスリアとのご縁は、どんなはじまりだったのでしょうか。
山田多佳子先生:スリアというブランドができる前からなんです。2003年に、『フィットネスセッション』という国内最大級のコンベンションがお台場で開催されました。私は日本フィットネス協会のディレクターをやっていたので会場に行ったら、企業ブースに帽子をかぶった変なお兄さんがいて(笑)。その人が後に、スリアの事業部の部長になるんですが・・・。その時はまだスリアがなかったので、展示ブースはインターテックという社名で、日本では当時まだ珍しかったフィットネス系グッズの輸入販売をしていました。
華子:その帽子のお兄さんは、インターテックの鈴木さんですね(笑)
山田先生:そうそう。私はアメリカに行ってフィットネスの勉強をしていたので、インターテックのブースに並んでいたグッズを知っていたんです。「これが日本で売っているんだ!」と思って、ブースにいた鈴木さんに話しかけたら割引で売ってくださって。それがきっかけで、鈴木さんと名刺交換をしました。
その後、書籍の撮影があり、衣装が必要だったのでインターテックのオフィスに借りに行きました。スリアのブランドが立ち上がったばかりで、まだロゴができていない頃かな。今は千駄ヶ谷にオフィスがあるけれど、その時はまだ浜田山にあって。そこからスリアの初代アンバサダーに声をかけてもらいました。
▲株式会社インターテックにて、毎シーズン行われる展示会のひとこま。写真は2011年のもの。先代の石谷社長(山田先生の左隣)、当時のスリア事業部部長鈴木さんらと共に。
華子:初代アンバサダーであり、就任に期間も歴代最長でしたよね?
山田先生:そうかもしれないですね。当時はフィットネスのコンベンションのため毎年アメリカに行っていたので、アメリカで仕入れたフィットネスウエアを持ち帰り、スリアのデザイナーさんと意見交換をしたり、ブラパットの形を試したりもしましたね。
華子:スリアの立ち上げというか、日本のヨガウエアの進化を見てこられたのですね。いまでこそブラパッドつきのキャミソールはあたりまえの存在になりましたが、私がはじめてスリアを着た時(おそらく13年ほど前!?)に、自然なラインができるブラパットの形に感動した思い出があります。海外のブランドにはなかった、日本人の体に合うように計算しつくされたデザインだなと。
ところで、話しは変わりますが、先生は「健康になること」を軸に、ヨガやフィットネスなど様々な運動指導をされています。いわゆる、体を扱うプロであり、色々なティーチングスキルをお持ちですね。
山田先生:私が指導しているのはフィットネスクラブや自分で立ち上げたサークル。大学でも非常勤講師もしています。これらの現場に求められているものは、健康体操的なもの。有酸素運動も入れるし、骨格とか筋肉を鍛えるレジスタンスエクササイズも入れるし、ストレッチといってもヨガのアーサナに近いリラクセーションなど、色々ものを総合的に指導しています。体育大学出身で、昔から運動ばかりしてきましたから、フィットネス概論とか解剖学、栄養学などたくさん勉強しました。でも医学と体育学ってどんどん新しくなるので、つねに新しものを勉強しておかないと。もともと勉強は好きじゃないけれど(笑)そんな理由から、勉強を続けていますね。
華子:最近では、全米ヨガアライアンスの200時間も取ったと聞きました。
山田先生:ヨガをはじめてからかなり後になりますが、2015年にインドで取りました。300時間もインドに行って取りたいなと思いつつ、コロナがあったので、今年10月に同じ先生からオンラインを使って。通訳付き、現地の言葉で学びました。
▲2015年に渡印して取得をした全米ヨガアライアンス。認定アシュラム「Shivalayaa Yoga Shala」は、ヒマラヤ山脈とガンジス川に囲まれた自然豊かな場所にある。
華子:本場のエッセンスを体験するのは貴重な学びですね。とはいえ、指導することも学びを続けることも大変なことだと思います。先生はご自分のメンテナンスはどうしていますか?
山田先生:週に一度はマッサージをして、自宅には筋肉リリースのグッツやストレッチポールなどの小道具があるので、それらを使って体のメンテナンスをしています。ヨガの指導者もフィットネスの指導者も、実践しているのが一種目だけだとどうしても偏りがでてしまうので、色々なカテゴリーの刺激が体に入るとバランスがいいなと思っています。
華子:一種目を実践することの偏りですか。具体的には?
山田先生:200時間の取得のために1カ月半インドに滞在して、ヨガマットの上でヨガだけをやっていました。ガンジス川で沐浴したり瞑想したりもする。ところが、有酸素運動が足りなかったんです。日本に帰ってエアロビクスのレッスンをしたらかなり大変だったんです。ヨガをやるとコアが強くなるし柔軟性もつく、でもヨガは有酸素系の運動ではないのでスタミナがつかない。そいう意味で、散歩でもいいしジョギングでもいいし、ヨガに色々な種目を取り入れてあげたらいいなと思っています。
華子:色々な指導スタイルの引き出しを持つ先生ならではの視点ですね。
山田先生:知識の面でも同じですよね。レッスンで生徒さんに質問されるじゃないですか。そういう時に、体について包括的に答えられるようになれば、会話のキャッチボールができるので。だから尽きないですね、勉強は。
華子:先生のお話しを伺って、私も色々な事に興味を持ってチャレンジしていこうと思いました。山田先生、貴重なお話しをありがとうございました。
◇山田多佳子
有限会社フィールド 取締役。東京都千代田区出身、中学高校大学ではバレーボール部所属。
体育大学卒業後、1983年よりフィットネス・ヨーガの指導・品質管理育成に携わる。
主な取得ライセンスは、RYT500・廣池ヨーガ健康研究所師範・アメリカスポーツ医学会EP・日本フィットネス協会ディレクター・健康体力づくり事業財団健康運動指導士、他。
好きな食べ物はラーメン・チョコレート。趣味は、旅行・ショッピング・マッサージ。
◇村上華子
2004年にヨガを始め、綿本彰氏にヨガを学ぶ。ヨガ仲間と共に『HAS YOGA銀座』を設立。
また、ヨガの指導のかたわら、中医学をベースにした薬膳フードデザイナーの資格を取得し、ヨガと薬膳のコミュニティー『季結び庵』を主宰。
ヨガによる心身の健康法に加えて、日本の風土、四季の移ろいに合わせた薬膳(食養生)のレクチャーも行い、自然と調和した、心地よい暮らし方の提案している。
2015年~アジア最大級のヨガイベント『ヨガフェスタ横浜』に、講師として毎年登壇。
さらに、ヨガを中心に心と体に向きあうための記事を執筆する編集・ライターとしても活動の場を広げ、様々な角度からヨガの魅力を伝えている。