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■スリアインタビュー『ヨガと私』
ヨガとのかかわり方にフォーカスしたインタビューの配信をスタートしました。
スリアが選んだ『ヨガと私』ぜひご覧ください。
~あるきっかけではじめたヨガが、いつしか家族の日常になる~
Vol.4 <前編> 黒川ナミタ先生
インスタグラムの写真でも、美しくパワフルなアーサナで多くの人を魅了している黒川ナミタ先生は、インドと日本、ふたつの国のルーツを持っています。そして、バイリンガルという個性を生かして、東京・赤坂見附に国際色豊かな『Nami Yoga Studio』を運営中。実は私、ナミタ先生にじっくりとお話しを聞くのが初めてだったので、この機会をとても楽しみにしていました。ナミタ先生ご自身のヨガやライフルタイルに加えて、意外なお話しも伺えて、楽しい時間になりました。
村上華子:以前、某所でちらっとご挨拶をさせていただきましたが、改めてまして、今日はよろしくお願いします!聞いてみたいことはたくさんあるのですが、まずは、ナミタさんがヨガをはじめたきっかけを教えてください。
黒川ナミタ先生:ヨガをはじめたきっかけは、高校の卒業課題のためでした。
華子:高校の卒業課題ですか!?
ナミタ先生:地元、神戸にあるインターナショナルスクールに通っていたのですが、卒業課題というものがありました。自分で課題のテーマと目標を選び、目標に達するまでのステップも全部自分達で考えるという内容で、まずは、課題のテーマを先生に提出して、先生からのOKが出たらプロジェクトがスタートします。
華子:そこで、ヨガを選んだのですね。
ナミタ先生:そうなんです。私はインドと日本のハーフなのですが、実は、インドのカルチャーをあまり知らかなかったんです。この機会に、インドのカルチャーを勉強できればいいなと思って。課題の候補としてリストアップしたのが、料理、音楽、言語、そしてヨガ。色々考えた結果、もともと体を動かすのが好きだったこともあり「ヨガやってみよう」と決めました。
華子:今までの「ヨガをはじめたきっかけ」で、はじめて聞いたケースです(笑)ヨガを始めるためのリサーチはどうしましたか?
ナミタ先生:まずはインド人の父に、周りでヨガをやっている人はいないか聞きましたが、誰もいなかったので、ネット検索をしてヨガを習える場所を探しました。最初に行った2か所は自分とバイブスが合わなくて。次に『ヨーガスクエアディーバ』というスタジオに辿りつきました。ここがすごく良いスタジオで。
華子:そこからようやく卒業課題がスタート?
ナミタ先生:はい。自分で立てた目標が・・・
・16回のヨガのレッスンを受ける
・10ポーズをマスターする
・ポーズの写真を撮る
・ポーズの取り方や効果をリストアップする
・マスターしたポーズを体育の授業で発表・教える
・発表している様子を写真に残す
パワーポイントを使って、これらすべてのレポートを作りました。その内容を、先生を含めた学校のみんなの前で発表するんです。それも教室ではなく、学校の大きなステージの上に立って。すごい緊張した~。
華子:なんと、ヨガデビュー早々の大舞台ですね。しかも、ヨガを習うだけではなく、みんなに教えるところまでやるなんて。それは緊張しますよ~。でも素晴らしいチャレンジ!そのためにも、よいスタジオや先生との出会いは貴重でしたね。その後はどんな風に、ヨガを継続していったのですか?
ナミタ先生:卒業後は、アメリカのボストンの大学に行きました。アメリカではヨガが主流、大学でもヨガを推奨していたので、週に3~4回は大学にヨガの先生が来て、大学の敷地内で、無料で受けられるヨガクラスを開催していました。学生に交じって、教授も一緒にヨガを受けていたり。
華子:それはすばらしい環境ですね!うらやましい限りです。では、大学を卒業してから日本に帰ってきたんですか?
ナミタ先生:そうなんです。卒業後は、都内にある大手証券会社に入社しました。2年間ずっと朝の6時出社。しかも、学生の頃から英語を話す環境にいたから、日本企業のカルチャーや文化も含めて、日本語の環境に慣れるのが大変でした。もちろん、その経験は勉強になりましたが、そのライフスタイルが今後、サスティナブルかと言われたら、ちょっと違うかなと思って。そこで、またやりたい事のリストアップしたんです。写真を学ぶか料理にするか。ここでもまたヨガが候補にあがって。よく考えて、この中でヨガが一番 “make sense” するかもと思って、2か月後に会社を辞めて、インドのリシケシで、200時間の指導者養成講座の資格を取得してきました。
▲インドのリシケシにて、指導者養成講座の認定資格を取得。写真向かって一番右側が黒川ナミタ先生。
華子:また思い切りましたね(笑)帰国後からヨガを教える側になり、どんなことに苦労しましたか?
ナミタ先生:学生時代からヨガも含めて、勉強は全部英語でした。もしかしたら、日本語でヨガを教えられないかもしれないと思い、近所のスタジオへ行き「日本語が微妙かもしれないですが、教えさせてください」とお願いして、クラスを担当させてもらいました。それと同時に、友達にも連絡してクラスの練習させてもらったり。そうしていると、友達のママからヨガをしたいとリクエストが来て、ママがママ友を集めてくれて。色々な方向から声をかけてもらうようになりました。最終的にはほぼ毎日、セミプライベートのグループレッスンをやっていて、それを一年ぐらい続けたかな。
華子:よい評判が口コミで広がっていったのですね。理想的です!
――インタビュー記事:後編に続く
◇黒川ナミタ
東京・赤坂見附『Nami Yoga Studio』主宰。
インド人の父と日本人の母を持つ神戸生まれの神戸育ち。ずっと日本で育った私はインドの文化を知る為17歳からヨガを始めた。21歳の時に東京の大手証券会社に就職。幅広い知識を身につけ、人生の次のステップにチャレンジする事を決意した。元々インドを知りたいという思いで始めたヨガ。しかし、インドに行かないで何がわかる?と思い切ってヨガの聖地であるインドのリシケシュへ渡る。2012年5月、200時間の全米アライアンスヨガのインストラクター養成プログラムを修了し、2015年に再び300時間の養成プログラムを取得。その間はヨガを教えながら、オックスフォードの認知療法センターや東京でマインドフル研修、産前、産後ヨガ、キッズヨガ等を勉強した。現在は東京を拠点に、様々な年齢層、バックグラウンド、やレベルの方々にプライベートやグループレッスンを開催。大都会で暮らすストレスを理解し、 身体を最大限にいたわるハタヨガのレッスンを、日本語と英語で行っている。
◇村上華子
2004年にヨガを始め、綿本彰氏にヨガを学ぶ。ヨガ仲間と共に『HAS YOGA銀座』を設立。
また、ヨガの指導のかたわら、中医学をベースにした薬膳フードデザイナーの資格を取得し、ヨガと薬膳のコミュニティー『季結び庵』を主宰。
ヨガによる心身の健康法に加えて、日本の風土、四季の移ろいに合わせた薬膳(食養生)のレクチャーも行い、自然と調和した、心地よい暮らし方の提案している。
2015年~アジア最大級のヨガイベント『ヨガフェスタ横浜』に、講師として毎年登壇。
さらに、ヨガを中心に心と体に向きあうための記事を執筆する編集・ライターとしても活動の場を広げ、様々な角度からヨガの魅力を伝えている。