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座り時間、増えていませんか?
心と体のどんよりを解消する『三日月のポーズ』
みなさんこんにちは、suriaアンバサダーの村上華子です。梅雨入り宣言が聞こえた今週、色々なことが億劫に感じられる時期ですよね…。
ジメジメした天気に気持ちが引っぱられて「だるい」「やる気がおきない」なんていうことが続いたら、体をすっきりと巡らせてあげて、心地よい状態に自分を導いてあげましょう。
まずは前回に引き続き、梅雨時期を元気に乗り越えるためのセルフケアからおさらいしていきます。
■“ためない”体づくり
ヨガと薬膳からできるセルフケア!
<エクササイズからできること>
・マッサージでつまりを取り、呼吸で循環
・ヨガのポーズで全身の血行を促進させる
<食事からできること>
・お腹に優しい食べ方を選び、消化力を落とさない
・代謝を助ける食事で、体を巡らせすっきりと
【梅雨のブルーな気分を吹き飛ばそう!】のシリーズでは、以上のことを意識しながら、巡りをよくして、水はけのよい体を目指します。今回はこの中かから “ヨガのポーズで全身を巡らせ、すっきりと軽い体を作る”をテーマに、「三日月のポーズ(アンジャネーヤ・アーサナ)」を中心に構成したヨガのポーズを紹介します。
むくみや運動不足に効果的
「三日月のポーズ」とは?
中医学がベースになった薬膳では、「人間は自然と密接に関係していて、絶えず自然界の影響を受けながら生きている」と考えます。雨は植物を成長させ、私達に大切な恵みを与えてくれますが、長く続くと体は重く、気持ちもどんよりしていきますね……。
そこでご紹介したいのが「三日月のポーズ」です。
このポーズは足を前後に大きく開き、リンパが多く集まる鼠蹊部や、全身の血流アップにつながる内ももの筋肉を刺激するので、体の中の「気血水」を巡らせることに期待が持てます。
また、完成ポーズで、腕を上に伸ばす動作を加えることで、脇の下から体側にかけても気持ちよくストレッチされていきます。
太ももの内側と脇腹には、ストレスやイライラと関わる臓器「肝」の経絡が走るルートがあります。肝の経絡の滞りをスムーズにしてあげることで、精神的な緊張もゆるまります。これら多くのメリットが期待できる「三日月のポーズ」を中心に、股関節周りをストレッチするポーズを組み合わせたシークエンスを紹介します。
■「三日月のポーズ」シークエンスの手順
1.ヒザ立ちの姿勢でヨガマットの真ん中に。骨盤を正面に向けたまま、右足を一歩前に踏み出す。上体が前屈みにならないように、手で右足を軽く押しながら腰を落とす。背中側で手を組み、肩甲骨を引き寄せて胸を開く(3呼吸キープ)
2.手を床につけ、お尻を後方に引きながら右足のヒザ裏をストレッチ。右足のかかとで床を押し、つま先を天井に向けると姿勢が安定する。ヒザ裏が痛む場合は、ヒザを伸ばし切らずに、軽く曲げた状態でOK。(3呼吸キープ)
3.手を一歩前の床に移動させながら、右足裏を床につける。胸を正面に向け、上体を斜めに伸ばす。左足のつけ根が伸びるのを感じる(3呼吸キープ)
4.右足に手を置きながら上体を起こす。軽く下腹をしめながら腰を立て、背骨を伸ばす。左手を左足の太ももに置き、右手を天井に引き上げながら、ゆっくりと腰を落とす。左足のつけ根と、右のわき腹に心地よい刺激を感じる。
5.手を床につけ、右足を下げながら「チャイルドポーズ(前屈した正座の姿勢)」で休息を取る。再び1、の姿勢に戻り、手と足を入れ替え、反対側も同様に行う。
・POINT
三日月のポーズを行う際は、前足の親指側とかかと、うしろに伸ばした足の甲で床を支えながらバランスを取りましょう。腰を落とす動作では、しっかりと下腹を締めながら行うことで体幹(コア)を作り、反りすぎからくる腰痛も防ぐことができます。
『三日月のポーズ』を効果的に行うために。
土台の安定感がつかめないうちは、無理をして腕を上げる動作まで行わなくてもOK。まずは、両手をヒザに置いた姿勢(手順4の導部分)を完成ポーズとして、焦らず安定感を培ってきましょう。
大切なことは、ポーズの完成度ではなく、「ストレッチの効き具合はちょうどいいか?」「無理なく呼吸はできているか?」など、その瞬間に起こる心と体の反応に向き合うこと。つまり、自分の心地よさのためにヨガをすること。
無駄な力みが抜けて、呼吸がくつろいでいくと、心身の気巡りの効果も格段にアップ!
雨降り続きでどんよりした気持ちも払拭してくれるはずです。
さて、次回は“食べて整える”「梅雨におすすめの薬膳レシピ」をご紹介します。
村上華子先生着用アイテム
トップス:カティタンク
ボトムス:ナナパンツ
suriaアンバサダー 村上華子先生
2004年にヨガを始め、綿本彰氏にヨガを学ぶ。ヨガ仲間と共に『HAS YOGA銀座』を設立。
また、ヨガの指導のかたわら、中医学をベースにした薬膳フードデザイナーの資格を取得し、ヨガと薬膳のコミュニティー『季結び庵』を主宰。
ヨガによる心身の健康法に加えて、日本の風土、四季の移ろいに合わせた薬膳(食養生)のレクチャーも行い、自然と調和した、心地よい暮らし方の提案している。
2015年~アジア最大級のヨガイベント『ヨガフェスタ横浜』に、講師として毎年登壇。
さらに、ヨガを中心に心と体に向きあうための記事を執筆する編集・ライターとしても活動の場を広げ、様々な角度からヨガの魅力を伝えている。